核家族化などにより、子育てを親に頼りづらくなっている今。産後の母親を社会全体でサポートしようと、行政は“産後ケア”に力を入れています。しかし、まだ十分に普及していません。一体なぜでしょうか。

◇《座る間もなく育児に追われる日常》

 風邪をひかないようにと、自分よりも、子どもたちの髪を先にドライヤーで乾かします。安藤のぞみさん35歳。8歳の長女を筆頭に、5歳の次女、4歳の三女、そして生後6か月の四女と、4人の女の子を育てています。

晩御飯は、子どもたちの大好物のローストビーフ。子どもが食べる量に合わせて盛り付けますが…。赤ちゃんの泣き声が聞こえて中断です。

安藤のぞみさん(35)
「すーちゃん、眠いんだわ」


お腹を空かせた子どもたちが待っています。片手で料理を続けて…完成。食事中は、赤ちゃんをあやしながら、幼稚園に通うお姉ちゃんの話にも耳を傾けます。

安藤のぞみさん
「ゆず…きょうは、のぼり棒やった?」


次女(5)
「一番上まで行けた!」


安藤のぞみさん
「お~」


のぞみさんの夫・遼さん(36)は、消化器科の医師です。子育てに協力的ですが、夜勤などがあるため、4日間、家に帰ってこられないこともあります。

安藤のぞみさん
「きょうは、座って食べられたほうです。いつもはキッチンで終了のときも多いので…」


子どもたちが寝るまでは、ゆっくり座る暇もありません。