男子110mH・村竹ラシッドが2戦連続2位の快進撃

日本選手では110mハードルの村竹ラシッド(23、JAL)が厦門、上海紹興と2戦連続で2位、走高跳の赤松諒一(30、SEIBU PRINCE)もドーハ大会2位と好成績を収めた。2人ともパリ五輪5位入賞の力をしっかりと示した。

日本陸連の世界陸上選考規定で、パリ五輪入賞者は今年に入ってからの世界陸上参加標準記録突破で代表に内定する。村竹は13秒27の標準記録を、3000m障害の三浦龍司(23、SUBARU)も8分15秒00の標準記録を厦門大会で突破。すでに代表に決まっていた女子やり投の北口榛花(27、JAL)に続き、トラック&フィールド種目では2、3人目の代表入りを果たした。

村竹は5月18日のGGPにも13秒16(-1.1m)で優勝、同29日のアジア選手権(韓国クミ)でも13秒22(+0.7m)で優勝と、国際大会で結果を出し続けている。まだ記録には表れていないが、今季の目標である「東京世界陸上でのメダルと12秒台」に向けて、しっかりと進んでいることをダイヤモンドリーグでも示した。

三浦はエントリーしていた上海紹興大会を右脚のコンディション不良で回避したが、GGPは8分18秒96で優勝し、ラバト大会にも急きょ参戦した。厦門大会で出した8分10秒11は自身の日本記録に0.19秒と迫るタイムで、4〜5月の間に出したタイムでは自己最高記録。順大で同学年だった村竹と同様、東京世界陸上での「メダル獲得」という目標に向かって進んで行く。

意外だったのが北口の上海紹興大会4位である。ダイヤモンドリーグで3位以内を逃したのは2回目。安定感のある北口にとって、珍しい負け方だった。ダイヤモンドリーグの最終試技の6回目は、上位3人しか投げることができない。上海紹興大会から帰国した際、「5本中1本も真っ直ぐに投げられませんでした」と問題点を自己分析した。「真っ直ぐに投げられれば62~63mは普通に飛んでいたと思います。(原因は)体の横回転が速すぎて、おそらく手が遠くを通っています。その分、やりが振り回されてしまっている」

ゴールデングランプリでは64m16で優勝。立て直すことに成功していたが、出場予定だったラバト大会を「コンディション不良」(チームがSNSで発表)で欠場した。

豊田兼(22、トヨタ自動車)は厦門大会で1秒07差の3位とワーホルムに食い下がったが、アジア選手権を「腰背部の違和感」のため欠場。サニブラウン アブデルハキーム(26、東レ)、佐藤圭汰(21、駒大4年)、ディーン元気(33、ミズノ)もダイヤモンドリーグは良くなかった。世界陸上本番が9月と、例年より1か月準備期間が取れることを活用し、焦らずに立て直して欲しい。

全員が好成績を残せたわけではないが、これだけの種目でシーズン序盤から日本選手がダイヤモンドリーグに出場することは、以前では考えられなかった。近年の日本のレベルアップを示していると言えるだろう。