内閣支持率は微増 背景は備蓄米か?政権の命運握るコメ問題

石破内閣の支持率は前回調査から1.3ポイント上昇し、34.6%となった。総理が新人議員に商品券を配っていた問題などで4月には過去最低の支持率(30.6%)となっていたが、2か月連続で上昇に転じている。政権幹部は「微増で安堵した」と語っていて、支持率は底を打ったとの見方も出ている。

「小泉効果でしょう」
政府関係者がこう分析するように、今回支持率が上昇した要因のひとつは、失言により更迭された江藤前農水大臣の後任に、小泉進次郎農水大臣が就任した「期待感」があるのかもしれない。

5月31日随意契約によって売り渡した5キロ2000円程の備蓄米が大手小売り店に並んだ。小泉大臣が就任して10日後のことだった。連日、備蓄米を求め客が列をなす映像がテレビで流れ、ネット予約も即売り切れる状態だという。多くは22年産米(古古米)で、6月6日からはコンビニなどで21年産米(古古古米)も販売が開始された。ただ有権者は意外と冷静にみているようだ。

備蓄米を「買いたい」と答えた人は「是非買いたい」と「どちらかといえば買いたい」を含め48%、「買いたくない」と答えた人も「あまり買いたくない」と「全く買いたくない」をあわせて48%と拮抗する結果となった。こちらはどの世代でも同じような傾向になっている。男女別ではやや男性のほうが「買いたい」人の割合が多く51%だった。(女性の「買いたい」は44%)

さらに今後、銘柄米の価格が下がると思うか聞いたところ「下がらない」と考えている人のほうが多く56%だった。

政府備蓄米は2025年1月時点で、91万トンあったが、これまで3回の入札で合計約31万トン、そして小泉大臣が随意契約で30万トンを放出した。残りは約30万トンで小泉大臣は「需要があれば全部出す」方針を表明している。

しかしこれは弥縫策に過ぎず、価格の安い備蓄米をこのまま放出し続けることはできない。なぜここまでコメが高騰したのか検証し、抜本的な改革を進めなければ根本的な解決に繋がらず米価は下がらないのではないか。

その抜本的な改革について話し合う閣僚会議の初会合が5日、官邸で開催された。まずは米価高騰の分析や課題のとりまとめが主題だが、中長期的なコメ政策についてのポイントは減反から増産への転換、またそれに伴う農家への保証のあり方になる見通しだ。

現在、農家が再生産できる価格を維持するため、コメの生産量をおさえているが、今後増産に舵を切るべきだと考える人は今回の調査でも9割近くに上っている。日本人の主食であるコメの高騰対策は物価高対策の筆頭格で米価が下がるのか、今後の政権の命運を左右する。