村竹は後半伸びるレース展開をしたことで12秒へのプロセスが明確に
大会3日目(29日)の男子110mハードル。村竹は前半で右隣の中国選手に先行されたが、後半でパリオリンピック™5位入賞の底力を見せて逆転。13秒22(追い風0.7m)で2位に0.09秒差を付けた。今季は12秒台が目標と言い続けてきたが、今大会直前には「優勝が目標。今季良くなっている前半を少し抑えて、後半しっかり伸びるレースをしたい」と、若干の修正をしていた。予定通りの展開で「負けるわけにはいかない」という思いで出場した大会に勝ちきった。

12秒台を出すために必要なことは?という質問には「今季のこれまでのレースで良かった前半と、アジア選手権で良かった後半の2つを上手く組み合わせることが第一」と答えた。もちろん、両者を組み合わせることは簡単ではない。「前半のスピードと、後半伸びるスピードをそのまま合わせられるわけではありません。後半伸ばすためには前半を、少しは抑えないといけない部分もあると思うんですが、(アジア選手権ほど抑えずにある程度のスピードを出しながら)後半で伸びるための動きを前半でする。その加減を上手く見つけられたら、と思います」
その走りを完成させるには、ある程度の期間がかかることも覚悟している。完成しない間も「アベレージを落とさないことを大事に」する。実際、昨季より「0.1秒くらい」上がっている実感がある。「その上でどこかの大会でタイムが上振れしたらいいですね。一番は世界陸上で12秒台を出すことです。そうなればメダルも実現できる」アジア選手権で後半伸びるレースに徹したことで、村竹は世界陸上までのプロセスをより明確に考えられるようになった。