吸血されると血が止まりにくくなる「ヤマビル」

ー山に出かけてふと気づくと、痛みがないのに血が流れている…という経験をした人がいます。

(東洋産業 大野竜徳さん)
「それは、ヤマビルの仕業の可能性が高いですね」

「ヤマビルは、何とも言い難い、ナメクジのような柔らかい体をした生き物です。大きさは2~5cmくらいと大きいですが、周りの景色に溶け込むような暗い色をしています」

「乾燥が苦手で、うっそうとした山道、落ち葉の積もった林道、湿った斜面などで出会うことがあります」

「ヤマビルは動物のにおいを遠くからかぎつけ、だんだん這って近づいてきて、近くに通りかかった獲物にうまくとりついてよじ登ってきます」

「かつてヤマビルは上から落ちてくる、といわれていましたが、実際は足もとに近づいたヤマビルがそっと気づかれないように体を這いあがって首筋などの目立たないところにかみつくことから、まるで上から降ってきたかのように錯覚したのかもしれません」

「実際は足もとが一番の要注意ポイントですね。そんな足もとから服や靴に侵入し、そっと皮膚が露出したところに吸いついて吸血します」(【画像②】ヒルのイメージ:閲覧注意)

【画像②】ヒル(生成AIによるイメージ)

ーヒルが吸いついていても気づかないこともあるようですね。

「体を這いまわるときももちろん、吸い付かれたところも麻酔作用のある唾液で吸血中の痛みはありません。症状として、痛みはないものの、吸血後の出血はなかなか止まりません」

「咬まれたところの傷口の確認はしづらいですが、延々と血が出てきて止まらないので、すぐに普通の傷と違うのには気づきます」

「これは吸血の際の麻酔作用と血が固まらないようにする成分が、かさぶたができるのを邪魔するためで、咬まれたところからサラサラと血が流れ続けます(これは本当に気持ち悪いです…)」

「血が止まらない以外にはほとんどかゆみや痛みは出ませんが、人によってはかゆみや赤みが数日後に出たり、傷口から細菌感染したりすることもあります」

ー怖いです。足元から這い上られないように、注意が必要ですね。