子どもが目的地への見通しが持てるよう声かけを

楢嵜日佳 特任教授(環太平洋大学こども発達学科)
「子どもは経験値が少ないので、先の見通しが持ちにくいのです。」

例えば
「次の橋を渡ったら海が見えてくるよ」
「到着したらこんなことをしようね」など

「少し先のことを想像し、期待感が持てるように声をかけてあげてください。楽しみが具体的にイメージできると安心することもあります」

大事なこと「大人まで”イラッ”としない」

楢嵜日佳 特任教授(環太平洋大学こども発達学科)
「子どもが泣いたらイライラするのは当たり前と言う研究もあります。子どもの泣き声は高い周波数(約3000Hz~6000Hz)【画像④】で人の耳が最も敏感に反応する範囲です。子どもの泣き声を聞くと、脳波のパターンが他の音を聞いた時と比較しても大きく変化することが分かっています」

「子どもの泣き声により、『ストレスホルモン(コルチゾール)』が分泌され、イライラ感が引き起こされます。音の特性と心理的反応による当然の現象なのです。」

【画像④】

「でも!慌てず、優しい言葉を掛けてあげてください。『やめなさい!』『置いていくよ!』のような言葉は逆効果です。

『どうしたい?』『こうしてみようか?』など、泣きたい気持ちを受け止めたり代弁したりしてみてください。できることなら、早めに車を停車させ、心や体のリフレッシュをさせてあげましょう。」 

どうしてもダメなら臨機応変に対応を

楢嵜日佳 特任教授(環太平洋大学こども発達学科)
「子どもが小さい時のお出掛けは、計画通り、大人の希望通りに行けることはなかなかありません。そう思っておおらかに構えて、楽しみ方を変更してみましょう。過ぎてみれば、おもしろいネタになります」

「そんな気持ちでおおらかに受け止めましょう。大人の思いもありますが、子どもも意思をもった1人の人ですので、子どもの思いもぜひ尊重してあげてください