東日本大震災の津波で児童ら84人が犠牲となった宮城県石巻市の大川小学校で、公立学校の新任校長を対象とした研修会が5月29日に開かれ、学校防災への意識を高めました。
大川小の遺族 佐藤敏郎さん:
「子どもたちを本気にさせるのは先生が本気にならないと。先生が本気になるためには校長が本気にならないとだめ」

研修会には、県内の公立学校で新しく校長となった95人が参加し、大川小学校で次女を亡くした佐藤敏郎さんの話に耳を傾けました。

佐藤さんは、犠牲となった児童と教職員、84人の当日の行動を紹介したうえで、航空機事故を引き合いに出して学校防災の重要性を説きました。
大川小の遺族 佐藤敏郎さん:
「学校が飛行機だとすると乗客は子ども。乗務員は先生。乗務員が子どもたちを守る。命と子どもが真ん中であればもっとシンプルになる」

参加した中学校の校長:
「当時の大川小学校の子どもたち、教職員、保護者の姿をイメージしながら、これからの学校運営に生かしていかなければならない」

参加した高校の校長:
「マニュアルの見直し現実に即した避難訓練、地域との連携を強化して、実効性のある防災態勢を構築できれば」

研修は、大川小を巡る津波訴訟で、学校防災の不備を認めた判決が確定した後の2020年から始まりました。6月10日には、新規採用の教職員を対象とした研修会が開かれます。