■結局、2022年は台風が多かった?
9月の週末は台風ずくめだった2022年。「台風が多い年だった」ということでしょうか。
吉松 台風防災情報調整官:
「1年間に接近・上陸する台風の数の平年値は11.7となっています。すでに10月末なので、おおむね平年通りというところですね」(※10月末に取材)
意外にも、平年通り。9月は月の半分以上にわたり台風が接近していたので「ずっと台風がいる」という気持ちになっているのかもしれません。

ーーでも、9月は多くの台風が来ていましたよね。これには特別な理由があるのでしょうか?
吉松 台風防災情報調整官:
「確かに多いんですが、元々9月10月は台風シーズンなので、2022年に特別の事情があったわけではないんです。ただ、2022年は海面水温が高いので、台風が発生しやすくなったり、発生した台風が勢力を維持しやすくなったというのはあったと思います」
気象庁によりますと、日本の周りの海面水温は、広い範囲で平年より高くなっています。台風の発生や発達には大気の状態も大きく影響しますが、高い海面水温も、9月の接近ラッシュに影響したとみられます。
■冬には台風が来ない? 2022年の冬は大雪に注意!
2022年も残すところあと2か月、この先はどうなるのでしょうか。
2021年は17年ぶりに、12月に台風が日本へと接近しました。しかし、一般的には台風のシーズンは、夏。なぜ冬には台風が来づらいのでしょうか。理由は、日本の上空に流れる強い西風、「ジェット気流」にあります。
池田 現業統括予報官:
「台風というのは、ジェット気流を横切ってまで北上することは中々ありません。よほど発達した台風でないと、ジェット気流に乗って西に流されてしまいます。夏から秋の初めは、太平洋高気圧によってジェット気流が北に押し上げられているので、台風が日本付近まで北上しやすい状態になっています。しかし寒い時期はジェット気流が日本の南に下がるため、台風の北上が妨げられて、日本に接近することはほとんどありません」
台風シーズンはほとんど終わり、気温がぐっと下がってきました。
11月はほぼ平年並みの気温となりますが、12月以降は、東・西日本を中心に寒気の影響を受けやすい予測となっていて、厳しい寒さがやってきます。日本海側では大雪となるかもしれません。気象庁は体調管理に気をつけるよう呼びかけると共に、雪の情報に十分注意するよう呼びかけています。