橋下氏が怒りの主張「消費税は財源の一部でしょ」

 消費税の減税で社会保障の財源が足りなくなるのではないか、という指摘も聞かれますが、橋下氏はこれに「ちょっと待った!」と怒りをにじませます。

 社会保障の給付費は総額137.8兆円(2024年度予算ベース 財務省・厚労省資料より)必要ですが、消費税で賄われるのは約2割(27兆円あまり)だと述べ、食料品の消費税8%が0%になっても「財源の減少は5兆円くらい」だとしたうえで、次のように指摘します。

 (橋下徹氏)「消費税が減る!って国会議員や大手メディアの人は言うんだけども、日本の税収は消費税だけじゃないです。法人税も所得税も全て含めて税収が上がっているなら、消費税の分の税収を、緊急の物価高対策で少し縮めても十分賄える、というのが僕の持論。」

「いろんな意見あるかもしれないけど、メディアはこの辺りをもっとちゃんと説明してほしい。日経新聞社が世論調査で『社会保障の財源として消費税は維持しなければいけないか』みたいな質問しているけど、いやこれ(財源の)一部でしょ、っていうのは認識しておかないといけないと思います」

 消費税減税に関しては識者の中でもさまざまな議論・意見があります。元厚生労働省キャリア官僚で行政学者の神戸学院大学・中野雅至教授は、「確かに消費税より社会保険料で賄う割合が大きい」と、橋下氏の主張に同意しつつ、トランプ関税の影響でGDPが1%下がると言われていることなどを挙げ、税収の上振れ分だけで長く保つのは難しいという見解です。消費税は法人税や所得税より安定した財源になっているといい、消費税を減税するというなら、逃げずに新しい財源をどうするのか示す必要があるといいます。

 (中野雅至教授)「例えば法人税。法人税はずっと下げていた、法人はグローバルに事業所を移すからなかなか課税ができなかった。それが最近は経済安保で移しにくくなってきたから、法人からもらえばいいと思うんですよ。だから消費税を下げるなら、法人税あるいは金融の分離課税をなくしてもう少し富裕層からお金もらうとか、財源の議論をすべきだと思います」

 中野教授のこの主張に対して橋下氏は…

 (橋下徹氏)「日本の今までの国家財政の視点で一番抜けてるのは財政マネジメント。価格を下げたら、より物が売れてトータルで売り上げが伸びるというのが財政マネジメント。いろんな議論がありますが、法人税を上げると全体の法人税が下がるという見方もあるんです。景気が悪くなったり設備投資が悪くなったり。」

 「だから何でもかんでも税収を上げて財源を確保するんじゃなくて、トータルの税収が増えればいい。岸田政権のときに行われた定額減税では財源が5兆円必要だと言われたんです。5兆円の穴が開くと言われましたが、蓋を開けてみたらトータルの税収は増えてるんですよ。単純に税率を上げることで税収が増えるという議論に陥っちゃいけない。」