アジア選手権2025が5月27~31日の5日間、韓国クミで開催される。日本は9月開催の東京2025世界陸上につながる重要な大会と位置づけ、「メダル獲得が期待できる選手」をチーム編成方針に掲げて代表選手選考を行った。前回23年のタイ・バンコク大会で、日本勢は素晴らしい活躍を見せ男女16種目に優勝した。クミ大会で優勝が期待できる日本選手、外国勢も含め世界レベルの種目、記録的な期待ができる種目を紹介していく。
アジア選手権2連勝を狙う山本と、アジア大会のリベンジを期す廣中
女子5000mは山本有真(25、積水化学)が2連勝を狙う。山本は23年のブダペスト世界陸上と杭州アジア大会、24年のパリ五輪と出場してきた。だが今年4月に15分12秒97と自己記録を3年ぶりに更新した際、「たまたま出られただけ」と振り返った。自己記録を更新できなかった期間への反省が強く表れた言葉だったが、山本が重要なところで結果を出したから代表入りができた。
その代表的なレースが23年のアジア選手権だった。山本は日本選手権で8位と敗れたが、12日後のアジア選手権に優勝。15分51秒16で記録ポイントは1066点と良くなかったが、カテゴリーの高いアジア選手権優勝は、順位ポイントが高い。150点を加え1216点を獲得した。東京五輪から採用されている出場資格を決めるシステムでは、1200点を超えると出場権獲得に前進する。
2年前に比べると、山本の出場権獲得のプロセスは順調だ。Road to Tokyo 2025(標準記録突破者と世界ランキング上位者を1国3人でカウントした世界陸連作成のリスト)の順位が現在28位で、5000mの出場枠42人から落ちる可能性は低い。記録は気にせず、勝負優先のレースで順位ポイントを稼げば出場資格獲得へダメ押しとなる。強敵は前回2位のポール・チャウドハリ(30、インド)だ。15分10秒35の自己記録は山本と同レベルだが、2年前のアジア大会では山本と廣中璃梨佳(24、JP日本郵政グループ)を破って優勝した。しかし、山本も負けていない。金栗記念5000mは2分54秒台、GGP3000mは2分52秒台と、ラスト1000mが強くなっている。2連勝は十分期待できる。
山本と同学年の廣中は10000mに出場する。21年東京五輪7位、23年ブダペスト世界陸上7位と、2度の入賞実績を持つが、23年アジア大会は5000m、10000mとも銀メダルだった。5000m優勝者がチャウドハリ、10000m優勝がヴァイオラ・ジェプチュンバ・モトシオ(34、バーレーン)だった。出場種目はわからないが、2人とも今大会にエントリーされている。廣中にとってはリベンジのまたとない機会だ。

















