九州での生産量は減る可能性も 危機感は持っておくべき

Q 今後、苅田町の2工場はどのように変化していくでしょうか。
経済ジャーナリスト 井上久男さん
苅田2工場が閉鎖されることはないでしょう。
しかし懸念もあります。
アメリカ工場と苅田工場で生産している日産の主力商品「ローグ」(日本名・エクストレイル)は当初、アメリカ生産を縮小する予定でした。
しかし「トランプ関税」で状況は変わってきています。
今後ローグの生産の主力は苅田からアメリカ工場に移る見通しです。
福岡県苅田町での生産量は減少するでしょう。
また日産車体九州で作っている大型SUVも米国へ輸出できなくなると、九州での生産量は減ることになります。
Q 福岡での対応は
経済ジャーナリスト 井上久男さん
危機感は持っておくべきです。
特に生産量が減ると如実に影響を受けるのは下請け部品メーカーです。
福岡県全体の雇用の問題については今後心配が残り、更なる雇用対策が求められます。
(聞き手:RKB毎日放送アナウンサー下田文代)

井上久男(いのうえ・ひさお)
1964年生まれ。
福岡県出身。
1988年 九州大学卒後、NEC入社。
1992年 朝日新聞に転職。
主に名古屋、東京、大阪の経済部で自動車や電機産業などを担当。
2004年 朝日新聞を早期退社してフリーの経済ジャーナリストに転じる。
現在は文藝春秋、講談社、小学館、ヤフーなどが発行する各種媒体で執筆しているほか、講演活動、テレビ出演も多数ある。
主な著書は『自動車会社が消える日』『日産vs.ゴーン支配と暗闘の20年』(ともに文春新書)