「今思えば、チャンスでも何でもなかった」
海外パビリオンの1次下請け業者A社・安藤さん
「契約書にサインをしないと次の支払いが実行されないという切羽詰まった状態でもありましたので、ちょっとおかしいなと思うところもあったんですけれども、最終的にサインはさせていただきました」
A社にとっては初めての海外クライアントとの仕事。文化の違いや、たび重なる仕様変更などに対応したことで、予定された工期より遅れましたが、開幕には間に合いました。
海外パビリオンの1次下請け業者A社・安藤さん(仮名)
「元請けによる仕様変更に対応して工事の内容や方法を変えるということが毎日のようにありました。それが工期のロスに繋がっていたかなと思います。それでも僕たちは、元請けの指示通り、工事を完成させた自負はあります。開幕日が決まっている万博だからこそ、なんとか終わらせようと現場で踏ん張ったのです」
確かに、一部は元請け業者Xが行った修正工事は存在したものの、その費用によって未払い額を全て相殺するとは考えられず、詳細な説明もないと憤ります。

海外パビリオンの1次下請け業者A社・安藤さん(仮名)
「海外の大企業と取引できるのは素晴らしいことやなと。絶対に何が何でも逃げんと頑張ろうという気持ちで、最後には必ず報われると思いながら最後までやりきった。それが蓋を開けてみれば、こんな状況だから、うちみたいな小さい会社に声がかかったのかなとか、今思えば、チャンスでも何でもなかったのかなと」