「終日無料で乗り放題」の一日!普段は乗らない人も『乗ってみようかなと』
(近江鉄道構造改革推進部 山田和昭部長)
「もうほぼ車1択になっているのが現実なんですね。でも『無料』になるとこれはコスト的に絶対勝てるわけですので、これはそういう方々にも乗っていただく機会になると。1日の運輸収入を捨てるというデメリットよりもメリットのほうが上回ると」
とにかく乗車のきっかけを作ろうと、10月16日の日曜日を関西の鉄道では初めてとなる『終日無料で乗り放題』にすることに決めたのです。
そして迎えた当日。
(利用客)
「息子が電車に乗ったことがないので、初めての体験できょうは来ました。10年ぶりぐらいですね」
「普段めったに乗ったことがないし、1回乗ってみようかなと。(Q以前近江鉄道を利用したのは?)学生時代やな。高校生時代しか乗ったことがない。せやからもう50年以上前やな」
普段は近江鉄道を利用しない沿線住民をガッチリ引き寄せた近江鉄道。電車が到着しますが、ドアが開くと都会の通勤ラッシュと見まがうような人の多さです…。
(記者リポート)
「日曜日午前10時前の彦根駅なんですが、普段では考えられないほどの大勢の人でごった返しています」
ホーム上は大混乱。彦根駅を発車した電車の中もこの混雑ぶりです。
(利用客)
「息子が電車大好きで、きょうは無料と聞いてうれしくなっちゃって来ました」
途中駅でも次から次へと乗客が乗り込んできます。主要駅である八日市駅に到着しましたが、人が多すぎてまったく前に進みません。
(利用客)
「予想以上、こんなに苦労するとは思わへんかった」
「近江鉄道は黒字になると思う」
急きょ臨時列車まで運行されたこの日、乗客数は3万8000人にも上ったと推定されていて、1日の定期外利用者の平均の実に12倍です。今回の乗車体験が通常の日の利用につながるのか。効果の検証はこれからです。