長い競技生活を通じて及川さんが追い求めているもの、それはレースに勝つことではありません。

及川さん
「運動というよりも仲間がほしい。その仲間がたまたま車いすマラソンの仲間だったというだけ。情報も入ってきて自分の生活の糧にもなった。競技スポーツで速い人はパラリンピックとか上のレベルを目指す。市民ランナーは選手間の交流とか、自分のレベルを少しでも上げたいのです」

障害を持つアスリートの活躍の場はパラリンピックを最高峰に国内外で増加、記録も更新されその競技レベルは年々上がっています。

しかし、及川さんはその進歩を見つめる一方で競技の広がりや普及、車いす利用者への情報提供がさらに必要だと感じています。

及川さん
「一般のスポーツと違って始める年齢は人によってまちまち。でもだんだん車いすランナーの人口が高齢と低年齢に分かれてきている。30代とか40代のランナーがいないのが現実」