交渉カード「車」:日本のダメージ「小」米国の納得度「小」か

3つ目の交渉カードとなり得るのが「車」です。すでに25%が上乗せされています。車についてはアメリカのトランプ大統領が「非関税障壁」でアメリカ車の日本での販売が妨げられていると主張してきました。
木内氏によると、車自体の安全基準は緩められないが、すでにある「輸入車の手続きの簡素化」は可能で、このカードを切った場合、日本のダメージは比較的小さいとみています。ただアメリカ側の納得度も小さいと見られています。非関税障壁に関して何らかの対応をすることで、トランプ大統領が「自分が強く言い続けたから日本が変わった」とアピールする材料にはなるかもしれませんが、経済的な効果は限定的だからです。
仮にアメリカからの自動車輸入額が3倍になったとしても、増加分は5000億円程度と試算されており、アメリカが求める貿易赤字削減目標(約8兆円)には及びません。そもそも日本では道路事情や燃費性能への関心の高さから、アメリカ車が日本市場で受け入れられるかどうかも不透明です。














