「山と心に木を植えよう」20年にわたる植樹活動

この森を復活させようと20年前、ある民間団体が植樹活動を始めました。岸井成格さんらが立ち上げた、民間ボランティア団体「森びとプロジェクト」です。

森びとプロジェクト 岸井成格 理事長(2005年5月)
「山と心に木を植えようと。『心に木を植える』という中には、足尾の歴史も一緒に学んでいこうと」

この荒れ地で「森びとプロジェクト」は20年に渡り、栄養分が高い黒土を運び、苗木を植え育ててきました。ウサギや鹿などに苗木が食べられないよう網を張り、雑草を取り除く作業も行ってきました。

4月29日に行われたのは「孤高のブナ」の保護活動。自然分解する袋に入れた、草の種子が混じった黒土を根元に置きます。草が生えることで、土壌が雨に流されなくなります。

さらに「孤高のブナ」の種子から、新たなブナを育てる取り組みも。約100個ほどの実から発芽したのはわずか2つ。7年かけて苗木に育て、そのうちの1つを「希望のブナ」と名付け、ようやく2年前に植えることができました。