パンダ外交と“ゼロパンダ

中国のいわゆる「パンダ外交」の始まりは、1941年のアメリカへの贈呈でした。日中戦争のさなか、アメリカの支援をとりつける狙いがありました。

日本に初めてパンダがやってきたのは、1972年、日中国交正常化の年です。“友好の証”として送られました。

中国から日本にやってきたパンダの数ですが、日中関係が良かった80年代には10頭も来日しています。その後、繁殖目的となり、数が絞られたこともあって減少しました。

2011年に上野動物園に貸し出されたのが、最後の2頭となりました。

国内で赤ちゃんが産まれることはあったのですが、2012年の尖閣諸島をめぐる対立以降、日中関係は冷え込み、2013年に習近平体制になってからは1頭も来ていません。

そして2025年6月、和歌山・アドベンチャーワールドの4頭が返還され、2026年2月には、東京・上野動物園にいる最後の2頭も返還期限を迎えます。このままいくと、実に54年ぶりに日本からパンダがいなくなってしまうのです。