「狂ってると思います」影響は教育現場にも

関税政策の影響は、教育現場にも及んでいる。この楽器店では、学校の子供たちに楽器の貸し出しも行っている。

楽器店オーナー ケビン・ランディスさん 
「最近は、レンタルされる楽器のほとんどが中国製です。中国は、質が良くて価格も手ごろな学生向けのバイオリンやチェロを作っていて、この分野ではほぼ独占状態なんです」

関税政策は、子供たちから音楽を学ぶ機会を奪うことにも繋がると話す。

ケビン・ランディスさん
「特に中国に対する関税は、実態は禁輸を意味します。『中国からの商品はすべて出荷停止になった』と毎日のように仕入れ先からメールが来ます」

――この関税政策に合理性はあるんですか?
「いいえ、狂ってると思います。何のためにやってるのか、理解できません。共和党でも民主党でも、この政策を本当にいいと思っている人は、ほとんどいないと思います」

一方で、トランプ氏を支持する人の大半は、関税政策を肯定的に捉えている。自転車店で働くダニエルズさん。店内にあるほとんどの商品が、海外で作られているというが…

トランプ氏を支持 ダイアナ・ダニエルズさん
「私もマネージャーも動揺していません。多少の打撃を受けるのは分かっています」

関税政策は、長期的にはアメリカの利益に繋がるとダニエルズさんは話す。

ダイアナ・ダニエルズさん
「製造業がアメリカに戻るでしょう。今、高い関税の国に拠点がある企業がアメリカに戻ってくるのであれば、それは成功と言えます。共産国製でなくアメリカ製であれば、多少高くてもお金を払うと思います。もう世界の面倒は見ません。自分たちを優先すべきです。それが“アメリカ・ファースト”です。横暴だと思われてもかまいません」