2024年、後継者が見つからず休業した高知県土佐町の「清水屋旅館」。旅館を再生させ、「新たな町の交流拠点」づくりを目指すプロジェクトが始まりました。

(リポート 榎本優樹アナウンサー)
「土佐町田井にある清水屋旅館に来ています。昨年休業しましたが、再スタートを切るために着々と作業が進められています。」

土佐町田井で大正時代から営業を続けていた老舗旅館「清水屋旅館」。

1960年代には、早明浦ダムの建設に伴って、全国から多くの作業員が集まり、「清水屋旅館」も大勢の宿泊客で賑わっていました。

しかし、2024年5月、後継者が見つからず100年以上の歴史をもつ「清水屋旅館」は休業しました。この旅館を地域創生や新規事業開発などを行う土佐町のアルファドライブ高知が引継ぎ、「新たな町の交流拠点」としての活用を目指すことになりました。

5月1日は再スタートを切るため、旅館の中に残されているものを運び出す作業が行われました。

作業にあたっているのは、清水屋旅館3代目の森文明(もりふみあき)さんです。

旅館の中からはこんなものも…

(清水屋旅館3代目 森文明さん)
「これ私の(通信簿)です。(Q.成績どうでした?)3と4。5はなし。『もう少し根気強く努力してください』懐かしいなあ」

100年以上の思い出が詰まった旅館は、3代目の森さんから4代目女将の楠瀬まどかさんに引き継がれます。

(清水屋旅館3代目 森文明さん)
「少しでも人が集まってくれたり、楽しんでいただける拠点の意味で、少しでも発展してもらったらなという思いです」

(4代目女将 楠瀬まどかさん)
「(土佐町の)外から来た人が、ここに絶対立ち寄るという場所が作られてないと聞いていまして、そういった所に私たちがなっていければいいと思っています。ただの泊まる場所だけではなくて、いろいろな事ができる場所にしたいなと思いますし、旅館だけどあえて来てもいいんだよという場所にしていきたいと思います」

清水屋旅館は現在、改装費用をクラウドファンディングで受け付けています。新・清水屋旅館は、2025年の8月にプレオープン、10月に正式オープンできるよう準備を進めていく方針です。