政権の「2つの狙い」に見える限界
トランプ政権の“狙い”としては
▼3つの赤字解消(貿易・財政・家計)
▼国内製造業の再興⇒中間層の所得を底上げして格差是正
杉田さん:
「“2つの狙いを一挙に解決できるのが関税”だというが、どれも簡単に解決できる話ではない。関税がどう落ち着くかわからず【貿易赤字】がどれだけ解消するのかは大きなクエスチョン。【国内製造業の再興】はトランプ政権1代でできる話ではないし、そもそもアメリカ人が付加価値の高いものを製造業として工場で作ることに今向いてるのかどうなのか」
杉田さんによると、日本の製造業のトップ達は「今アメリカに大きな工場を作ることは考えられない」と言っているという。

杉田さん:
「高すぎる人件費に見合うだけの技術を持つ労働者が集まらない。さらに物価も何も高いということもあり、やはり当面は諸々条件が良いところで作ったものを関税を飲み込んで何とかアメリカに輸入すると。このパターンを続けるしかないと。なので【国内製造業の再興】というのは今の企業経営している人の常識からするとあり得ない話」
――国内製造業を再興し中間層の底上げをするには、本来は細かな産業政策や社会政策、地域政策などのミクロの対策、もっと言えば国内の分配政策が必要。
杉田さん:
「【産業政策】は本当に下から積み上げて地域ごとの事情を考えて作っていかないとダメだが、トランプ氏はそういう発想をしない。【分配政策】は共和党支持層から『民主党か』と反発を受けるので嫌がる。さらに言うと【教育】や【職業訓練】も手をつけなければいけないのに、トランプ政権で誰かが責任を持ってやっているのか全然見えてこない」














