家族を休ませる「レスパイトケア」
24時間365日、命と向き合い続けている医療的ケア児とその家族にとって「休息」は簡単なことではありません。その中で、近年特に重要視されているのが、家族などの「レスパイト(一時休息)ケア」です。
一時的な預かりや入院で、介護から離れる時間を作るもので、継続的な医療的ケアには欠かせないとの考えが浸透してきています。

長崎県ではこれまで県北地域が、レスパイトケアの空白地帯となっていましたが、2025年4月1日、医療的ケア児の宿泊受け入れが可能な小児科診療所「かれこれ先生のこどもクリニック」(佐世保市光町)が開業しました。
事前予約制で、まずは土日1泊2日からスタートし、将来的には平日受け入れにも対応できる体制を目指しているということです。施設運営を担う社会福祉法人 宮共生会の原田良太理事長、中村健太郎理事は、「家族に自由な時間を持ってもらいたい。子どもにとっても、もう一つの家のように安心できる場所になりたい」と話しています。

長崎県医療的ケア児支援センター「つなぐ」センター長 岡田雅彦医師:
「レスパイトケアの施設数はまだ少ない。利用希望者が多く、順番待ち、競争率は高い。離島地域ではさらに状況は厳しく、母親たちは孤立したまま頑張っている…それが現状です」