生きるために、人工呼吸器や痰の吸引など「医療的ケア」が欠かせない子どもたちがいます。全国に推計約2万人いるとされる医療的ケア児たち。医学の進歩によって救われる命が増える一方、その命を育んでいく支援の在り方が問われています。求められるのは、家族を孤立させないサポートと理解。長崎県で進む支援の現場から考えます。
自分を責める母

長崎県内に住むMさん一家。
現在小学4年生のM君は、1歳半の時、悪性の脳腫瘍のひとつである「髄芽腫」と診断され摘出手術を受けました。術後は寝たきりの状態に。気管切開手術を行い、人工呼吸器を装着して生活することになりました。M君の母親は、当時をこう振り返ります。
M君の母親:
「普通に産んであげられなかったと自分を責め続けて…。とにかく死なないでほしいと願う毎日でした」