天皇陛下は母校である学習院大学を私的に訪問し、三笠宮家の彬子さまらの講演会を聴講されました。

27日午後、東京・豊島区の学習院大学で、講演会「学習院コレクションとパトロネージュ」が開かれ、陛下も会場に足を運ばれました。

この講演会は、皇族らの学び舎である学習院ゆかりの美術作品などを展示する「霞会館記念学習院ミュージアム」のリニューアルを記念して行われたもので、三笠宮家の彬子さまが「手袋と帽子が伝えてくれるもの」と題した基調講演のため登壇されました。

彬子さま
「『手袋で30分の講演をしてほしい』と言われまして、手袋に関して30分はちょっと無理だな…と。さらに今回陛下のお出ましも分かって、なんで私『手袋にする』って言ったんだろうって後悔しております」

彬子さまは、スクリーンに映し出された皇居一般参賀の写真を見ながら次のように話されました。

彬子さま
「一般参賀で皇后陛下はお帽子をかぶっていらっしゃいませんが、他の女性皇族方はかぶっていらっしゃいます。これは皇后陛下にとって宮殿は『お家の一部』とみなされますので、外に出て日を避ける必要がないからかぶられません。このお話をすると『愛子さまがお帽子をかぶってるのはなぜか?』と聞かれます。私は、明治・昭和の内親王殿下方は両陛下と別の建物にお住まいだったので、その形を今も踏襲しているのではないか、と推察しています。のちほど、きちんと陛下に伺ってみたいと思っております」

装いのエチケットについて、皇室行事の経験などをもとにユーモアも交えて話された彬子さま。

去年11月に亡くなった祖母の三笠宮妃百合子さまからは、帽子の着用マナーなどを学んだことにも触れ、「伝統のバトンを受けた。こうしてお話ししていくことで次につないでいきたい」とも述べられました。

講演を聴いていた陛下は、時折うなずきながら聴衆およそ600人とともに大きな拍手を送られていました。