戦後80年、戦争の記憶を伝える「つなぐ、つながるプロジェクト」です。戦時中、アメリカで「敵性外国人」として強制収容された日系アメリカ人たち。特定の人種を敵とみなす法律が再びアメリカで適用されるなか、強制収容の当事者たちは怒りをあらわにしています。
カリフォルニア州にあるマンザナー強制収容所の跡地。26日、慰霊祭が行われました。戦時中、この場所も含めおよそ12万人の日系人が収容されました。
記者
「ここは風が吹きすさぶ場所としても知られていて、当時の過酷な状況が伝わってきます。こうした日系人の強制収容につながったのが、『敵性外国人法』です」
1941年、太平洋戦争の口火を切った真珠湾攻撃。その同じ日、アメリカ政府は国内にいる日本人を「敵」とみなし、拘束や国外追放を可能にする「敵性外国人法」を適用しました。
日系アメリカ人のジューン・バークさん(92)。当時9歳だったジューンさんは日本人が突然「敵」にされた日を今も覚えています。
強制収容を経験 ジューン・バークさん(92)
「(日系)一世たちはみんなラジオを聴きながら、『何が起きたんだ?』と困惑していました。お坊さんが法要を営んでいましたが、当局に連れていかれました」
当局に目を付けられないよう、必死だったといいます。
強制収容を経験 ジューン・バークさん(92)
「昭和天皇の写真を壁にかけていましたが、それを壊し、日本語が書かれたもの(手紙や写真など)全てを燃やしました。みんな怖がっていました」
その後の強制収容については1988年、アメリカ政府が人種差別や指導力の欠如などによる過ちだったと認め、公式に謝罪しています。しかし…
アメリカ トランプ大統領
「1798年に制定された敵性外国人法を発動し…」
トランプ大統領は先月、ベネズエラのギャングのメンバーらを国外追放することを目的に再び「敵性外国人法」を適用すると発表。しかし、追放された人の中にはギャングと無関係の人がいるとみられることが分かっています。
強制収容を経験 ジューン・バークさん(92)
「この大統領が過去の教訓を何も学んでいないことが、本当に腹立たしく感じています。私たちは他人を見て『肌の色が違うから悪い』などと考えてはいけないのです」
トランプ政権は歴史の教訓に耳を傾けることはできるのでしょうか。
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