かつて大分市佐賀関沖の高島にクリハラリスが生息していました。観光資源として1950年代に11匹が放たれ、その後爆発的に繁殖しました。

撮影:1980年代

高島では2018年から森林総合研究所が中心となって防除を開始。4年間で1600匹以上のリスを捕獲し、2022年以降、生息は確認されていません。その結果、国の天然記念物であるカラスバトの繁殖が確認されるようになったといいます。

森林総合研究所九州支所 安田雅俊さん:
「クリハラリスが高密度に生息するようになって生態系への影響が大きかったと考えられます。高島から根絶したことによって、今後より生態系の回復が起きると考えています」

一方、別府市で生息が確認されたクリハラリスは、DNA分析の結果、高島の個体とは異なる系統であることがわかりました。県やおおいた生物多様性保全センターなどは、2年間に48匹を捕獲しましたが、生息の実態はつかめていません。

森田祐介さん:
「別府にどのくらいのリスがいるのか非常に難しくてわからないです。どこまで広がってしまっているのかっていうのを早く把握したいと思っています」

こうした事態を受けて、県と別府市は今年2月に防除実施計画を策定。生息域の調査を行い、2025年度から7年間で根絶を目指す方針です。

県自然保護推進室 羽田野康仁室長:
「外来生物の中でも特定外来生物となっているということは、生態系への影響が特に大きい。発見初期の段階の対応によって駆除できる確率も上がりますので、この7年間で根絶を目指したい」

国内では天敵が少ないため、増えやすいとされるクリハラリス。対応が遅れれば広範囲に影響を及ぼす恐れもあり、関係者は警戒感を強めています。