安い韓国産にベトナム産を求める消費者も…なぜ備蓄米が出回らない?

家計を心配する気持ちは、旅行先でも変わらないようです。

韓国・ソウルにある大手スーパーのコメ売り場では、日本の半額以下の10キロあたり3000円〜4500円ほどです。東京から来たという女性も…

東京からの観光客
「せっかく旅行にきたのに、家計の事を考えて…買って帰ろうかなって、本当マジで思って」

実際、韓国でコメを買って帰国する観光客がいま急増しているといいます。

ただ、日本にコメを持って帰る際は、空港などにある検疫所で、検疫証を発行してもらう必要があるほか、コメを海外から個人用として持ち込む場合は、納付金や関税を納める必要があるため、注意が必要です。

一方、日本でも、外国産のコメが店頭に並び始めています。輸入食材店ではベトナム産のコメが人気だといいます。

8000キロ仕入れたベトナム産のジャポニカ米は、2日で残り500キロまで減っていました。

スパイスハウス 林ゆかりさん
「一般のお客さまも『安いコメを買いにきました』ということで、やはり日本米の代わりになるジャポニカ米を買う人が増えている」

こうした中、コメ不足の頼みの綱である備蓄米は、まだ多くが店頭などに並んでいません。その理由について、江藤農水大臣はこのように説明しています。

江藤拓農水大臣(18日)
「3月、4月は特に人事異動の時期であったりですね、なかなかトラックの手配なんか難しかったりする部分もあったんだろうと思います」

備蓄米は、農林水産省が管理を委託した民間会社の倉庫で保管され、全国に約300か所あります。今回の放出では、備蓄米を落札したJAなどの集荷業者が倉庫側に連絡をして、トラックを手配、卸売業者などに運搬するという流れです。

今、倉庫にある備蓄米はどうなっているのでしょうか。倉庫会社を取材すると…

倉庫会社の担当者
「備蓄米を出荷するという連絡はあったが、それ以降、具体的な指示がない」

複数の会社で、いまだに出荷のメドがたっていないことがわかりました。