自然相手の撮影は、なかなか期待通りにはいきません。しかし、4月27日に「世界遺産」で放送したオーストラリアの世界遺産「ゴンドワナ雨林」の取材では、運にも恵まれこの森にだけ生息している固有種の野鳥やザリガニを撮影することができました。「ゴンドワナ雨林」は世界的に有名なリゾート、ゴールドコーストから車で約1時間。ビーチ沿いに立ち並ぶ近代的なホテルの窓からも見える都市部に近い森ですが、なんと恐竜時代、1億8千万年前の森の面影を残す太古の森なのです。
この森は固有種の宝庫!

2021年、ゴンドワナ雨林では新種の昆虫が見つかるという大発見がありました。それは全身にフワフワの白い毛がはえたカミキリムシ。ゴンドワナ雨林は今でも新種の発見があり得る神秘の森なのです。そこを今回、取材スタッフは地元のベテランガイドと共に探検し森で暮らす様々な固有種の撮影に成功しました。
その一つは、姿をなかなか見ることができない野鳥のアルバートコトドリです。立派な大きな尾を持つオスがメスの前で自分の尾をベールのようにかぶり、求愛のダンスをするという珍しい鳥です。今回の撮影では森の中をひたすら探し回り運よく遭遇することができました。しかも体長90センチほどの大きな鳥でした。
また森の中を流れる清流に生息する固有種のザリガニ、ラミントンザリガニもカメラに収めることができました。透明度の高い清流に水中カメラを入れると、見たこともない青いザリガニの姿が浮かび上がってきたのです。なぜ青くなったのかは、エサに含まれている物質によるもの、または鳥などに食べられないよう身を隠すためだと考えられています。















