■マイナンバー急ぐ背景に「コロナ給付金」混乱の過去 現状は「メリット感じにくい」

熊崎キャスター:
なぜこのスピード感でここまで普及させたいのか。河野大臣は「デジタル社会を作っていく中でマイナンバーカードはその入り口を開くパスポート」と話しています。そしてデジタル庁のホームページには、「デジタルの活用により1人1人のニーズに合ったサービスを選ぶことができる社会」とも書かれています。

実際にマイナンバーカードが普及するとどういうメリットがあるのか、野村総合研究所の梅屋真一郎さんに伺いました。

▼行政
国民のニーズが把握しやすい、それによって作業量が減り、効率アップが期待できる
▼国民
適切なサービスを受けられる

やはりデジタル化することによって良い点というのはたくさんあるんだということを話しています。

そしてこの前のめりの背景をもう一つ見ていきます。2020年自民党の当時政調会長だった岸田総理が“コロナ給付金”を実施しました。その際「デジタル化の遅れにより現場が混乱した」ということがありました。そして2022年8月、その突破力に期待する形で河野太郎さんをデジタル大臣に起用。そしてこのスピード感になっているということです。では普及しないのはなぜなのか。複数回答ありで多い理由を見ていきます。

▼マイナンバーカード取得しない理由(デジタル庁調査)
・情報流出が怖い 35.2%
・申請方法が面倒 31.4%
・メリットを感じない 31.3%



▼現状のマイナンバーカードでできることのメリット
・コンビニで住民票の写しなどを取得できる
・行政手続きをオンラインで申請することができる
など



これを聞いて毎日毎週こういうことをやる人は多くはないので、これをどこまでメリットと感じることができるのか。梅屋さんは「これまではマイナンバーカードにメリットを感じられる場面が少なかった」と話しています。では、一緒にすることでどうなるのか。

健康保険証と一体化をすると、それによってマイナンバーカードを常に持ち歩く人自体が大幅に増える可能性が非常に高くなる。すると、マイナンバーカードを活用したサービスを開始する企業が増える。こうなっていくと普及率も上がるしどんどん便利な世の中になっていくのではないかということを話していました。