住宅も足りず“奪い合い”

急増するオフィスのニーズに合わせて、不動産デベロッパーによる再開発も進む。

JR千歳駅に直結する7階建てオフィスビルの建設やホテルなどの開発を手掛けている『アルファコート』(本社・札幌市)もその1つだ。

都市開発事業部・濱形陸久主任:
「ラピダスの進出から10個以上のプロジェクトを進めていて、事業費は総額100億円くらい。勢いよくスタートダッシュは切れたと思うが、これからは土地代や工事費の高騰もあるので、ちょっと慎重に開発を進めていかなければいけないという段階」

さらに住宅の供給も追いつかず、新築物件ができても内見なしで予約が埋まるなど“物件の奪い合い”が起きているという。家賃の高騰も問題だ。

『ジョイトーク』梶田多恵子代表:
「家賃相場はラピダスの進出前と比べて1.5倍くらいに上がった。土地の価格も人件費もすべてが上がっているから仕方がないが、学生は高い家賃のところには住めないので、そういうところには若干支障が出てきている」

「住宅やバス輸送」行政もサポート

こうした中、千歳市は地元不動産36社と「居住支援プロジェクトチーム」を結成し、物件情報を共有して対応。

他にも、台湾の半導体大手‧TSMCが進出した熊本県菊陽町での交通渋滞を教訓に、「バス輸送体制の構築」など先手を打って動いている。

『千歳市』次世代半導体拠点推進室・森 周一室⻑:
「サポートがないと安心して拠点を移してもらうのが進まないし、こうなっていくだろうと想定をしながら街づくりを考えていかなければ、今後のチャンスを生かすことは多分出来ないだろうと思っている」

理系人材育成で「産官学連携」強化

市内にある『公立千歳科学技術大学』では、必要とされる理系人材の育成のためにラピダスとの共同研究など「産官学の連携強化」を目指しているが、学生からは不安の声も…。

学生:
「国とかがちゃんと支援してくれないと、これから成立していくかどうかわからない」

「今のままだったらラピダスに関することはあまりない。共同研究などに関することが増えてきたらうれしい」

ラピダスの進出で大きく生まれ変わろうとしている千歳市。市⺠はどのように受け止めているのだろうか。