【パレスチナ】「私たちは占領者すら歓迎する」“命への感謝や大切さ”がテーマ

 一方、別の共同館・コモンズDに出展しているパレスチナは…

 (駐日パレスチナ常駐総代表部 ワリード・シアム大使)「(Qパビリオンのテーマは?)命への感謝や大切さです。私たちは過去100年間、軍事占領下にありましたが、今も確かに存在しています」

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 展示ではガザ地区の戦闘には触れず、パレスチナの暮らしや歴史について紹介するパネルが並びます。しかし、伝統工芸品などの展示物を、イスラエルを経由して日本に送ろうとしたのですが、許可が出ず留め置かれ、開幕に間に合わなかったといいます(※イスラエル側は否定)。

 (ワリード・シアム大使)「イスラエルが許可しないので、船で輸送することができません。そのため空輸に切り替えました。先行きは不透明ですが、届くことを願っています。まだベン・グリオン空港(イスラエル)にあります」

 紛争の影響で展示が未完成な状態で開幕を迎えたというパレスチナ。今回の万博に参加しているイスラエルに対する思いは…

 (ワリード・シアム大使)「この万博は政治的なものではありません。命や人々を結びつけるものです。われわれも彼らもここにいます。難しいですが、それでも私たちは占領者すら歓迎するのです」

 大屋根リングに包まれるように佇む、紛争当事者のパビリオン。今回の万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を考えるために、当事者たちの参加は大きな意味を持ちそうです。