【平】はい。まさに今日のテーマである「おもてなしのアイ」なんです。ある重鎮が今の長崎の観光について「アイ」がないとおっしゃったのですが、「アイ」とは旅行者へのおもてなしである“愛”。
通訳ガイドの不足も含むと思いますが、もう一つの「アイ」はインフォメーションの“i”です。旅行の形態が「団体⇒個」へ変わりつつあるなか、この“i”もまだまだ足りないと思います。

「旅行情報の入手先」についてみると──
「旅行前」はなにが一番多いかというとSNSです。(上位5つ 長崎国際観光コンベンション協会調べ)

これが「滞在中」だとSNSは2位となり、最も多いのは「観光案内所」なんです。何と、およそ3人に1人が観光案内所を利用しています。

【住】つまり観光案内所も充実させなければならないということですね?

【平】そうですね。観光客に必要な情報を提供する「観光案内所」の機能ももっと充実させるべきだと思います。他の観光地と比べると長崎は観光案内所が少ないと感じます。ただ、立派な観光案内所を作るとなると、コストも時間もかかりますので、タブレットを持って、人の集まる場所に出ていくといった「出前コンシェルジュ」のような運用で対応することも必要だと思います。DXが発達した現在ならば十分可能だと思います。

いずれにしても「アイ」のあふれる長崎になるためには──
・多言語に対応できるガイドの育成
・観光案内所の質と量の両面の機能強化
・タブレットを活用した「出前コンシェルジュ」
・シビックプライドの醸成も兼ねた学生の活用など

他都市で行われていることで参考にできることはまだまだあると思います。

「おもてなしの“愛”」や「地元ならではの“i”」で旅行者に「長崎ならではの体験」を満喫してもらい「長崎にもう一度、来てみたい」と感じていただき、それをSNSで発信してもらうことで、さらに多くの観光客を呼び込むことに繋がることに期待したいと思います。

今回は観光案内所について詳しく解説する時間がありませんでしたが、3月末に発行された長崎経済研究所の「ながさき経済春号」に観光案内所の現状と求められる機能について掲載していますので、ご覧いただければと思います。