
福岡在住の通訳ガイド 其田秀樹(74)さん: 「今の時期(3~4月)はやっぱりどうしても長崎はガイドさんの数が足りないってこともありまして」
福岡も長崎と同じようにクルーズ客は増えていますが、事情が異なるといいます。
繁忙期には依頼の7割を断ることも

其田さん: 「福岡の場合は、どちらかというと韓国とか中国からのお客様が多いと思うんですね。ショッピングがメインだと言うことで。長崎の場合、見るものが非常にふんだんに、しかもコンパクトにまとまっているという(観光地としての)アドバンテージをお持ちだ、というふうに思います」

通訳ガイドの手配も行っている九州通訳・翻訳者・ガイド協会によると、長崎で実務を担っているのは約20人ほどで、需要に追いついておらず、九州以外の地域からも呼び寄せているといいます。

九州通訳・翻訳者・ガイド協会 理事 龍里宗一さん: 「私が先週ガイドした時もですね、北海道からのガイドさんが来てましたね。いろんな旅行会社さんらがもう2年先、3年先の予約をしてしまうんですよ。(通訳ガイドに)声をかけても『すみません、もう仕事が入ってます』と言うことで、なかなか空きを見つけるのが難しい。他地域から呼ぶことも叶わない場合は、残念ながらお断りするしかないんですよね。ひどい時ですと7割ぐらいはお断りする時期もあって…例えば繁忙期とかですね」
長崎観光の強みと課題、そして解決策は?
【住】長崎は通訳ガイドが不足しているのですね。
【平】そうなんです。それは観光地としての長崎の特性も関係しています。「長崎の観光地としてのアドバンテージ」を龍里さんに聞きました。
まずは、歴史が「重層的」であるということです。
▶16世紀の南蛮文化
▶17世紀、禁教令下の潜伏キリシタン
▶19世紀、造船を中心とした産業革命遺産
▶20世紀、原爆投下とそこからの復興
そして、これらの場所をバスや路面電車で10~15分で移動できる“コンパクトさ”を挙げておられました。
つまり、「重層的な歴史」を持つだけに説明すべき事柄が多いうえ、多くの観光地を回りやすいため、説明すべき場所も多いということです。
