従来山城茶は、緑茶で製茶されていましたが試行錯誤を重ねた石川さんがたどり着いたのは「紅茶」でした。

石川智史さん「最初は緑茶にしたり手もみ茶にしたり、ウーロン茶にしたり窯炒り茶にしたり、何パターンも試験を重ねて“紅茶”が一番香りを引き出せることができたと思って、それで今は紅茶でやっている」

石川さんはコーヒー店を閉めると毎日、茶葉の手入れをしにこの畑に訪れます。「一芯二葉」。お茶の葉の先端にある芯芽と、その下の2枚の葉を摘むことです。とても柔らかい部分で甘みの強いおいしいお茶になります。

ここから摘み取ったお茶の葉を紅茶にしていきます。最初の作業は、摘み取った葉をしおらせる「萎凋」。この工程を経ることで、花や果実のような芳醇な香りが生まれます。

次に「揉念」という作業に入ります。発酵させるために茶葉の細胞を壊します。茶葉の成分を出しやすくしたりする目的があります。茶摘みから約20時間、夜中も2時間おきに作業した後、発酵と乾燥を経て完成です。

喜久本リポーター「香りがとてもよくて、フルーティーでとても飲みやすくて優しい味です。おいしいです」

「やっぱりうれしいですね。地元のものが無くならずに続いていくっていうのは感動します」「復活して今は規模が小さいけど、だんだん盛り上がっていくといいなと思う」

かつては地域の特産品として親しまれていた「山城茶」。去年、地域の特産品を認定する「まんまうるまセレクション」に選ばれ、「特産品」の地位を取り戻しました。

石川智史さん「山城茶が復活していくことによってお茶を飲んでいただく人たちが増えてきてくれると非常にうれしいと思う。沖縄のお茶のすばらしさを県民の皆さんに感じていただけるととてもうれしく思う」

うるま市石川の山城を訪ねると、偶然出会った幻のお茶に情熱を注ぐ熱い男の姿がありました。