“推し活”で黒字に 培った印刷技術で大逆転

今や市場規模が3.5兆円に上るといわれる「推し活」。その必需品がアクスタなんです。

そんな「アクスタ」に目をつけたのが名古屋に本社を置くBeBlock(ビブロック)。こちらでは、出版社や個人からアクリルグッズの注文を受け付けています。

(BeBlock 松村祐輔社長)
「自分の描いた作品をアクリルスタンドにしたいニーズはある。推し活でグッズを買ったり、いろいろ自分で物を作ったりとか、そういったことが一気に市場の波がやってきたという感じなので、今は"推し活ブーム"に乗っている感じ」

2016年に、オリジナルのアクリルグッズをホームページから注文できるサービスを開始。現在、売り上げはアクリル事業だけで年間10億円に上ります。

ビブロックは、1948年に名古屋の大須で松村社長の祖父が創業した「松村印刷所」が始まり。元々は役所から依頼された印刷物が売り上げの95%を占めていましたが、デジタル化の波で会社は赤字続きに…

(BeBlock 松村祐輔社長)
「“やり方は変えないと、このまま残れないだろう”ということだけはわかっていた。もうどんどんデジタル化していくから、紙はいらなくなることはないにしても、とてもとても減るだろうというふうに思って」

模索する日々が続く中、きっかけとなったのはコミックマーケットで見た"推し活文化"でした。

(BeBlock松村祐輔社長)
「いろんなグッズを買う姿を見て、購買の力みたいなものがすごいなと思って」

培ってきた印刷技術で作るアクリルグッズ。現在は、全体の売り上げの半分以上が「アクスタ」などの"推し活"商品で、念願の黒字に転換しました。

(BeBlock 松村祐輔社長)
「印刷というテクノロジーの中で我々は生きてきたというのはある。だからそこはやっぱりレガシーのような、大事にしながら色の再現性とか、そういったものはクオリティがどんどん高くなっている。求められる品質もどんどん高まっているので、そこは必死に付いていかないと」

時代の荒波を正面から受ける老舗企業。培った技術をいかしながら、発想の転換で新たな商品を生み出し続けています。