13日に開幕した大阪・関西万博。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、158の国と地域が参加します。

オープニングコンサートは「1万人の第九」。およそ1万人がベートーヴェンの第九を合唱し、開幕に華を添えました。この1万人の中には、はるばる福島から駆け付けた中学生の姿もありました。

万博の開会式を10日後に控えた4月3日。福島県郡山市にある郡山第五中学校の合唱部は、春休みのさなか練習に励んでいました。郡山五中の合唱部は3月、声楽アンサンブルコンテスト全国大会で銀賞を受賞。去年秋の全日本合唱コンクール東北大会では金賞に輝くなど「合唱王国ふくしま」を代表する中学校のひとつです。

部員13人のうち万博の「1万人の第九」には、9人で臨むことになりました。多くの人のハーモニーの中で美しく響かせるために、ドイツ語やリズムをしっかりとらえようと、顧問の指導にも熱が入ります。

郡山五中合唱部・横江風音部長「私たちの学校が「1万人の第九」という貴重な機会に出られるということにすごく驚きがありました。佐渡裕さんの指揮と一緒に世界中に歌声を届けるというイメージで歌いたい」

12日、大阪入りした合唱部員9人が参加したのは、第九の指導で定評のある講師による特別講習会。同じように全国から招待された中高生などとともに、最後の練習に励んでいました。

そして迎えた13日、本番3時間前の午前6時。郡山五中の部員たちが万博の会場に到着しました。

横江風音部長「きのう楽しみ過ぎて、本当にもうわくわくいっぱいの気持ちで精一杯頑張りたいと思います」

第九を歌うステージは、万博のシンボル「大屋根リング」。福島県産の木材も使われています。部員たちもそのスケールに興奮気味です。会場に集まったのは、国内外から参加したおよそ1万人。大屋根リングには圧巻の光景が広がっていました。

郡山五中・近藤依央梨さん「ここから見ただけですごいたくさんいるので、この1万人で合唱できることはすごくうれしい」

万博アンバサダーでもある総監督・佐渡裕さんの指揮のもと、いよいよ本番です。

1万人によるベートーヴェンの「第九」。およそ20分間、迫力のハーモニーで大阪・関西万博の開幕を世界中に告げました。

郡山五中・白川楓奈さん「1万人で歌う機会なんてもうないと思うから、すごい楽しかった」

郡山五中合唱部・横江風音部長「1万人というとても大きな数で歌えることが光栄でした。楽しかったのでまた参加したい」

歴史に残るコンサートに参加した福島の中学生たち。大阪・関西万博は10月13日まで半年間開催されます。