全国で高齢者ドライバーによる事故が相次いでいます。運転をサポートしてくれるAIコミュニケーションロボットを取材しました。
「おばあちゃん扱いするな!」75~79歳の6割超が運転に“自信あり”

南波雅俊キャスター:
高齢ドライバーの事故が各地で多発しています。まず免許返納の件数についてです。
【免許返納件数 運転免許の申請取消(自主返納)件数】
2014年:約20万件
2017年:約40万件
2019年:60万1022件
2023年:38万2957件
(警察庁HPより)
池袋で暴走事故があった2019年に免許返納の件数が増えました。しかし、そこからどんどんと減ってきているという実情があります。背景にあるのは、「運転に自信がある人」が結構いるということ。

「運転に自信があるか?」というアンケートに対し、30~59歳の人は36.7%が「自信がある」と答えました。一方で、75~79歳の人は61.3%と、6割を超えている人が「自信がある」という認識をしています。(MS&ADインターリスク総研調べ)
50代の息子が80代の母親に「免許返納をしてみれば…」と免許返納をすすめると「おばあちゃん扱いするな!」と険悪ムードになってしまった実例もあるそうです。

また、免許返納するのは、気持ちの部分だけではなく、実情としても「不便になる」という面も大きく考えられます。内閣府調べによると、都市部に住んでいる25.0%の人が、免許返納で「不便になった」と答えています。
そして、地方都市に住んでいる人は37.4%、山間の地域など過疎地に住んでる人は60.5%が「不便になった」と答えています。そういった人たちからは「買い物や店に行きにくくなった」「通院しにくくなった」といった声があがっています。
日比麻音子キャスター:
免許返納に関しては、“自身の思い”だけではなく“不便さ”が発生してしまいます。自治体によってはタクシー券などの補助が出たり、交通費が無料になったりするところもありますが、場所によってまだバラつきがある現状だと思います。
高柳光希キャスター:
私の祖母も、交通の面で不便という問題に悩まされていました。ですが、ようやく2023年に返納をしまして、今は母親と父親が送り迎えをしています。