「まだ登山靴はあるだろうか…」コインランドリーの戸を開けると

「取りに行きましょうか?」ではなく、「取りに行きます」。同様の申し出がいくつかある中で、はっきり言い切ったのはMさんの書き込みだけだった。みむさんは直感的に「この人、信頼できる」と思った。

コインランドリーは鹿児島市南部の和田で、住所までは分かるが店舗の連絡先は分からなかった。長男によると、屋久島のあと鹿児島市に移動し、指宿で砂蒸し温泉へ行き、鹿児島市に戻る途中で洗濯物を洗うために立ち寄ったという。

忘れたのは11日で、今が15日でもう5日目だから、まだ靴があるかどうかも分からない。「無駄足になったら申し訳ないな…」と思いつつ、店舗名と住所を書きこんだ。

みむさんの長男が登山靴を忘れたコインランドリー(鹿児島市和田)

コインランドリーの住所を見た鹿児島市のMさん。和田だったら用事のついでがあったので、翌16日の日中に店舗に向かった。

よく通る国道沿い、マンションの1階にそのコインランドリーはあった。

料金などが書かれたガラスの引き戸を開けて中に入る。落とし物や忘れ物が入っているカゴを見つけてのぞいて見たが、登山靴はなかった。