『何もないこと』と『空』(くう)を名に冠したパビリオン

ひときわ異彩を放つ、メディアアーティストの落合陽一さんが手掛けたパビリオン『null2』。
(落合陽一さん)「一から膜をつくり、建物をつくりというのは、万博ぐらいの規模じゃないとやらないじゃないですか。今までにないような見た目や風景を持っているところにこだわりがあります」
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“いのちを磨く”をテーマにしていて、建物は『ミラー膜』と呼ばれる鏡のような膜で覆われています。ミラー膜に映し出される景色が音の振動でゆらぎ、ヌルッとした質感が表現されています。
パビリオンの名前にもある『null(ヌル)』は、プログラミング用語で『何もないこと』を、仏教用語では『空』(くう)を意味します。
特殊なLEDと鏡で囲われた空間は、実際よりも広く見えるように作られていて、万物の本質は何もない『空』だという落合さんの思考が表されているといいます。
パビリオンの外に設置された機械では、専用のアプリを使い、撮影した画像をもとに『Mirrored Body』と呼ばれる自分の分身=アバターを作成することができます。
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(記者)「いま一番したいことは何?」
(アバター)「私の一番したいことは、今後の日常生活や趣味をより充実したものについて考えることです」
(記者)「私がいま考えていることと同じことをアバターが答えてくれました。声もそっくりで少し怖いです」
万博期間中はパビリオン内に映し出された自分のアバターと会話できるということで、現実と仮想空間が入り混じった不思議な体験になりそうです。
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(落合陽一さん)「なんて言葉で表現して良いか分からないものだけど、見たり体験したりすると、『もうそれはあそこで体感したあれでしかない』と思うものが、万国博覧会っぽい、良い展示物や建築物だと思う。(Q来場者に何を体験してほしい?)『考えることは人間のちょっとしたおまけです』と思っていただけたら、それが一番いいかなと思います」














