「ひまわり9号」のデータで公開されている情報は?

なかでも私たちがよく目にする「ひまわり」データを元にした気象情報は「衛星画像」「天気図」「推計気象分布図」「台風の進路」などがあります。「天気図」は低気圧や高気圧、前線の位置などを確認するのに活用されています。

「ひまわり」は3種類のセンサー(可視、熱赤外、中間赤外)でデータを収集しています。(画像:ウェザーマップ)

さらに西之島の火山灰や日本へ飛来する黄砂の様子、本州の盆地を中心に発生した霧、台風は目の中の様子もわかるようになりました。

「ひまわり」は火山灰、黄砂だけでなく、より高い精度を必要とする霧なども写します。(画像:気象庁ホームページより)

「ひまわり」故障で大ピンチ。世界中で助け合い

気象予報士 森朗氏:
宇宙には各国の気象衛星が打ち上げられていて相互に協力関係にあります。

「ひまわり」のデータも独自の気象衛星を持たないオーストラリアで山火事や集中豪雨の観測に活用されたり、アジア太平洋諸国を中心に30の国や地域で天気予報などに役立てられています。

各国の衛星が地球を見守っています。

2003年5月にはひまわりの後継機の打ち上げに失敗し、日本の衛星がなくなる大ピンチになった時もありましたが、アメリカのゴーズ9号を日本の衛星軌道上に移動し、レンタル運用でしのいだこともありました。

気象予報士 森朗氏:
それまでは期間を空けて後継機の打ち上げを行っていましたが、6号機からは間隔をあけず打ち上げるように変わりました。

現在は2機体制になったひまわり。「ひまわり8号・9号」のカメラは少なくとも8年間は使用が可能で、カメラ以外の衛星本体は15年間使用できることになっています。気象情報、災害対策用にひまわりは今日も地球を見守っています。