「逃げてください」以外にテレビが発するべきメッセージとは
井上キャスター:
我々テレビは「視聴者の皆さん、逃げてください」と促す側ですが、これを強い言葉で言えば逃げてくださるかというと、そうでもありません。
本来、逃げるときはテレビを切って逃げていただかなくてはいけないわけで、どうやってメッセージを発するかというのはすごく難しい問題です。

岸谷蘭丸さん:
確かに、まず「テレビを切ってください」とその場で言ってほしいですよね。また、地震や津波が起きたときに何をするべきかを、ある程度明確にチェックリストのようにしてくれるとわかりやすいです。
たとえば、人が倒れたときに使うAED(自動体外式除細動器)は、勝手にやってくれるようなものもありますが、何をするかが全部チェックリストのようになっています。テレビなどでも「こうなったときは、まずこれをやってください。次にこれを確認してください」と、箇条書きでもいいので出してくれるとだいぶ逃げやすく、やりやすくなると思います。
井上キャスター:
(逃げ方は)人によって、時と場合によって変わってくるので、政府としてもメッセージを出しますが、最後はご本人の判断で決断してくれということだとは思います。そこに難しさがあります。
岸谷蘭丸さん:
難しいですよね。行政ができないのであれば、民間でも今後はやってほしいと思います。
災害コンサルではないですが、たとえば「こういう病気があるからこれを絶対ストックしておこう」であったり、リュックのパッキングを全部やってくれたりするサービスがあると、皆さん利用できます。
お金を払うとやってくれるという手軽さは、ダイレクトに命を守ることにもつながるので、行政側ではなく、民間側での動きがあったらすごく面白いですよね。

青木さやかさん:
私が住んでいるマンションでは、「災害が起きたらどうするか」などの話を時折します。すでにストックしてあるものをみんなでさらにストックしたり、「ここに集まろう」と相談したり、マンションの中で話し合うこともすごく安心につながります。
出水キャスター:
私たちも「お互いに声を掛け合って」と言っていますが、そのように日頃からしてくれているとスムーズに動けますよね。