景観か暮らしか…。40年余りの議論を経て、節目の日を迎えました。広島県福山市鞆町の山側に造られた「鞆未来トンネル」です。30日に開通し、車も通れるようになりました。

全長2・1㌔のトンネルを車が進みます…。トンネルの名前は「鞆未来トンネル」。紆余曲折を経てきた鞆のまちづくりは、このトンネルによって、どんな未来を迎えるのでしょうか…。

瀬戸内の港町・鞆…。古い町並みをう回するバイパスの構想ができたのは、1983年のことでした。県が、鞆港の一部埋め立て、橋を架ける計画を立てたのです。

架橋計画に賛成する住民がいる一方で、景観が損なわれるなどとして反対する住民もいました。論争は、法廷の場へと持ち込む事態にもなりました。

そして2012年…。

広島県 湯崎英彦知事
「(トンネル案は)求められる定時性や通過交通の排除といった生活の利便性や安全の確保と景観保全を両立させながら、全ての住民ニーズについて、最もバランス良く満たすことができる」

当時の福山市長とのトップ会談で埋め立て架橋計画を撤回し、トンネル整備へと舵を切ったのです。