伝統的な町並みで狭い道 町が抱える課題

福山地区消防組合の鞆出張所から救急車が出ていきます。月に9回ほど行なわれている訓練です。訓練の目的は、伝統的な町並みで、狭い道を走る技術を磨くことです。救急車が走る県道鞆松永線の道幅は、4メートルから5メートルほど。車同士の離合も簡単ではありません。

鞆出張所救急隊 宗政恭司隊長
「どうしても地域じゃない方もいらっしゃいますので、サイレンを鳴らして走る時に慌てられて、他の車と違うよけ方をして、そういうことで交通渋滞を招いて」

2024年、鞆町内での出動件数は、救急が59件、消防が221件でした。町中の渋滞によって、緊急車両の到着が1分から5分程度遅れることもあるといいます。トンネル開通によって、どう変わるのでしょうか…。

鞆出張所救急隊 宗政恭司隊長
「鞆の町中を走るには、さきほどのような障害があります。ただ、トンネルの場合は直で町中を抜けることができますので、平地区とか、鞆町の端っこの出動が短縮できます」

トンネルの開通よって、県道の1日当たりの交通量は、現在の2700台が1000台に減少すると見込んでいます。県は、鞆の西側地域に向けた緊急車両の走行はスムーズになるものの、鞆町中心部への到着が早くなるかの判断には慎重です。