中居氏のフジ番組継続 背景は

第三者委員会が批判したのはフジテレビの対応です。

第三者委員会委員長 竹内弁護士
「過去にテラスハウス事案、旧ジャニーズ性加害事案という2つの事案をフジテレビは経験しているが、ここからしっかり学び取ることがなかった」

中居氏と女性のトラブルが起きたのは、2023年6月2日。1か月以上が経った7月13日に報告を受けた編成局長のG氏は、このとき、コンプライアンス推進室に共有しなかったことについて、こう話したといいます。

編成局長 G氏
「コンプラにいる人間がそれを聞いて情報拡散しないか不安に思った。CX(フジテレビ)は情報が漏れやすい会社なので、女性が好奇の目で見られるかもしれないという恐怖しかなかった」

G氏は、トラブル発生から1か月半が経った8月21日、大多専務に報告。女性について、男女間のトラブルと聞いていた太田専務は、その場で湊社長に電話。その後、港社長の部屋で協議し、「女性が笑顔で自然な形で復帰するまでサポートする」などの方針が決まったといいます。

港社長は、第三者委員会のヒアリングに対し…

港浩一 元社長
「最優先は女性の命を守ることであり、本人を刺激することなく、意向に沿ったケアをすることが一番大事だと思った。自死の恐れが一番怖かった。テラスハウスの件のようになったら責任を取れないという思いがずっとあった」

トラブルを把握した後も、フジテレビが中居氏の番組を継続したことを、第三者委員会は強く非難しています。

第三者委員会委員長 竹内弁護士
「中居氏の番組出演の継続を続けたことは、間違った判断であった。狭い考えの中でコンプライアンス推進室や外部の専門家に相談をせず、そのような判断をしてしまった。これが大きな間違いを生んだ」

トラブルが起きた年の4月、フジテレビでは、中居氏と松本人志さんの番組「まつもtoなかい」の放送が始まりました。

トラブルを受けて9月上旬、港社長と太田専務らが番組の扱いについて議論。急に番組を終了したりすることで憶測を呼び、何らかの形で女性の耳に入り、刺激してしまうのではないかと思い込み、中居氏の出演を継続すると判断したといいます。

その際、中居氏に対するヒアリングは行われず、女性への意思確認も行われませんでした。

港元社長
「ヒアリングを契機として、中居氏が女性に反論したり攻撃するなどの危険があり、女性への『刺激』になり得ること、そのため、女性への病状悪化を招くリスクがあること、あるいは自死を招きかねないこと」
「当時の状況を鑑みると、女性の心身を最優先にすることがあったので、間違いではなかったと思う」

こうして、中居氏の番組継続を決めたフジテレビ。翌年1月、共演者である松本人志さんが芸能活動の休止を発表した際、大多専務と編成局長G氏との間で、このようなLINEのやり取りがあったといいます。

大多亮元専務
「まつもとなかい、どうするかだな…。」

編成局長 G氏
「吉本側に仁義を切った上で、松本さんが戻るまで中居さんMCのお友達グランプリにする案がいいと考えています」

このタイミングで番組を終了し、中居氏の出演をやめるという判断もできたはずですが、2月に番組は「だれかtoなかい」にリニューアルされ、中居氏の出演は継続されました。

その後、女性が退職した8月。港社長(当時)が退職するということは心身も回復しているということであろうと独自に判断し、番組終了を承諾したといいます。