フジ刷新「体制」と「体質」変えるのに不十分か

小川彩佳キャスター:
報告書には、フジテレビ側が「女性のコンディションが良くない」ということを理由に、何度も不適切な対応を女性の責任に転嫁する姿勢がつづられていました。

そして、この報告書で性暴力というのが認定されるまで、女性は多くの誹謗中傷に苦しんでこられたと思いますし、どれだけつらい思いを重ねて、何度傷口をえぐられてきただろうと改めて感じました。

藤森祥平キャスター:
それをこの報告書では二次加害行為に当たるという強い表現もありました。1月のやり直し会見でも中居さんを守るつもりはなかったと再三繰り返していましたけど、その言葉が虚しく聞こえるような内容に感じましたね。

今回の会見を受けて、私達は企業ガバナンスの専門家の青山学院大学 八田進二教授に話を聞きました。八田さんは「人権軽視の企業風土を放置した全役員の刷新が必要。新役員も日枝日枝氏の影響下の社長らが選んでいて、名実ともに信頼できる人とは言えない」ということです。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
フジテレビの有力スポンサーのある社長さんに聞いてみたんですが、「フジテレビの対応に顧客が納得しないとCMを再開できない」。つまり、企業側がやろうと思っても、大変なクレームが来るので、簡単には再開できないだろうと言うんですね。

今回の問題は「体制」と「体質」の問題があると思います。

「体制」は第三者委員会でさえ経営判断の底を成していなかったという指摘されている、その中のメンバーの1人であった清水さんが社長として続けていくわけです。どう見ても刷新感は全くないですよね。

それから「体質」です。この問題の本質にあるのは、人権よりも、収益や視聴率を優先する、そういう体質が根深くあったことを払拭できないままずっと来たわけですよね。そこに対して、どういう具体的な対策を打つのかについて、全く見えてこないわけで、先ほどのスポンサーの社長の話からも、それでは国民・視聴者の納得は得られないと思いますね。

藤森キャスター:
今回の問題については、第三者委員会でも「性的暴力・ハラスメントという人権課題はフジテレビに固有のものではなく、メディア・エンタメ業界における構造的な課題である。セクハラ行為が行われても『ここは芸能界だから』という加害者の甘えがまかり通り、それが被害者の諦めを生み、被害が再生産されてきた」という表現まで盛り込まれています。

小川キャスター:
重い表現ですね。今回の問題を受けてメディア各社、調査などを行っていますけれども、この報告書には踏み込んだものがありましたから、そもそも安心して声をあげられる環境が整っているのかどうか、ここをしっかり検証する必要がありますね。

藤森キャスター:
まずは環境が整う前に、それを作り上げようと、続けていけるかどうかが大事かなと思います。