フジテレビの一連の問題を受けて公表された報告書は400ページ近くにも及び、第三者委員会は、中居正広氏と女性とのトラブルは「業務の延長線上の性暴力」だと認めました。

報告書「業務の延長線上の性暴力」認定

31日は社長1人での登壇でした。

フジテレビ 清水賢治社長
「私達にとって大変厳しい指摘ばかりでした。私達はこれまでの自己認識がいかに甘かったのかを思い知りました」

フジテレビの清水社長が「厳しい指摘」だとしたのは、一連のフジテレビ問題を受けて、第三者委員会が公表した報告書です。

その中で中居氏とトラブルになった女性が、フジテレビの元アナウンサーだったことが明らかになりました。

中居氏と編成幹部、女性の3人が関係を深めたのは2021年11月ごろのことです。編成幹部が制作統括を務める番組への出演がきっかけでした。その後、外資系ホテルのスイートルームで飲食をともにするなど、編成幹部は、女性と食事の席で同席したり、食事会に誘ったりしました。

そして2023年5月、中居氏所有の都内のマンションで昼間、バーベキューが行われます。

元SMAP 中居正広氏
「男同士じゃつまらんね。女性いるかなね。一般はさすがにね。となり、フシアナ誰か来れるかなぁ。」

元編成幹部
「アナウンサー調整してみます」
「2〜3人いれば大丈夫ですかね??」

その場には男性タレントの他、テレビスタッフなどに加え、女性も参加。バーベキュー後、中居氏の提案で編成幹部と女性の3人で寿司店へ行くことになります。中居氏と女性はこの日、携帯番号を交換したそうです。

そして2日後の6月2日、トラブルが起こります。正午すぎ、中居氏は女性にショートメールを送ります。

中居氏
「今晩、ご飯どうですか?」

中居氏とは仕事上の付き合いもあり、食事に行くこと自体については特段、違和感を持たず、「その晩は空いている」ことを返信します。すると中居氏からは、「はい。メンバーの声かけてます。また、連絡します」との連絡があったということです。女性はこの時点では、過去にあったような、“複数人での会合”だと思っていたそうです。

午後5時46分、中居氏からのメール。

中居氏
「雨のせいか、メンバーが歯切れわるくいないです。飲みたいですけど、さすがに2人だけだとね。どうしましょ。」
「お店。自信はありませんが、探してみますね」

さらに午後7時14分…

中居氏
「(仕事)終わりました。メンバー見つからずです~。どうしようかね。2人だけじゃ気になるよね。せっかくだから飲みたいけど」

その頃に仕事を終えていた女性は、「夜は空いている」と伝えていた手前、「2人だけでは嫌だから今日はやめたい」と立場上言えず、「2人でもよい」旨の返事をします。

その後、中居氏はバーベキューを行った自らが所有するマンションでの食事を提案。女性は少し嫌な気がしたそうですが、中居氏の求めに応じました。

元アナウンサー 女性
「仕事上付き合いのある芸能界の大御所からそういわれたら、『今夜暇だ』と言ってしまった私は行かざるを得ない。編成幹部や他のディレクターは、いつも中居氏にペコペコしている姿を見ていたから、逆らえないと思っていた。ここで断ったりしたら、仕事に影響が出るのではないか、断ったらそのことが編成幹部に伝わって、番組に呼ばれなくなるのではないか」

第三者委員会のヒアリングにおいて、中居氏は、実際には、出席者や店を探すなどはしなかったと述べています。調査報告書は「6月2日に女性が中居氏のマンションの部屋に入ってから退出するまでに起きたことを、女性が中居氏によって性暴力を受けたものと認定した」としています。

4日後の6月6日、女性はアナウンス室長に事態を報告。この室長は、女性が中居氏から性暴力を受けたと認識します。

翌月の7月12日、編成幹部は中居氏から女性とトラブルになっているとの相談の電話を受けます。電話の翌日、事務所を訪れた編成幹部に対し、中居氏はこう依頼しました。

中居氏
「女性が承諾したのでマンションに来てもらうことになった。その後、連絡を取り合っているうちに女性が自分にだんだんとよくない感じを向けていることが分かった」
「女性の心身の回復のために助けてほしい」

第三者委員会のヒアリングに対し編成幹部は、
・中居氏が女性と連絡先を交換していたこと
・2人で会っていたこと
・中居氏から女性に対する行為に驚いた と証言。

しかし、中居氏の話から、本事案を「プライベートにおける男女トラブルと認識」としています。

編集幹部らが中居氏の事務所を訪れた夜の、中居氏と編成幹部のショートメールのやり取りは…

中居氏
「また連絡があり、接触障害(摂食障害と思われる)と鬱で入院。やりたい仕事もできず、給料も減り、お金も無くあの日を悔やむばかりと。見たら削除して。どうしようか。」

編成幹部
「なかなかですね、、私から無邪気なLINEしてみましょうか??」

7月末ごろ、女性は心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されます。

翌年2024年、治療により体調が回復に向かっていましたが、7月退職を決断。その後、編成幹部にも伝えられます。

9月9日、編成幹部から中居氏に対して、ショートメールで8月31日に女性が退職したことを伝えたところ…

中居氏
「了解、ありがとう。ひと段落ついた感じかな」

編成幹部
「例の問題に関しては、ひと段落かなと思います。引き続き何かお役に立てることがあれば、動きます!」

調査委員会の竹内委員長は…

第三者委員会委員長 竹内朗弁護士
「今回起きたこと(性暴力)というのは、2人の間のプライベートな問題ということではなく、CX(フジテレビ)の業務の延長線上にあったというふうに判断をしております」

フジテレビで働くスタッフは…

制作会社スタッフ
「中居さんのやったことが性加害と認定したのはだいぶ進んだなと思う」
「きちんとコンプライアンスの検証をして、ちゃんとした会社に生まれ変わってほしい」