想定被害はなぜ増えたのか
想定される被害が増えている理由として、ワーキンググループの主査を務めた名古屋大学の福和伸夫名誉教授は「被害を減らすための努力が十分でなかった」と指摘します。
ワーキンググループ 主査 名古屋大学 福和伸夫 名誉教授
「残念ながら津波被災地域からの移転とか、あるいは建物の耐震化、これが当初の目的と比べて進んでない。このことが明らかになったのが今回の被害想定の結果の一番重要なことです」
「耐震化を進めれば、被害は減るんです」

能登半島地震や南海トラフ地震臨時情報などの発表を受けて、行橋市と吉富町は津波などを想定した訓練を始めました。
ワーキンググループは、被害を減らすために行政だけではなく、国民、事業者、地域がともに立ち向かうことが必要だと強調します。

ワーキンググループ 主査 名古屋大学 福和伸夫 名誉教授
「耐震化を進めれば、被害は減るんです。津波避難行動をきちんとすれば、死者は減るんです。まだ対処ができる今のうちに全力で被害を減らす方向に我々全員が意識を変えないといけない」
津波が来るまで191分
南海トラフ巨大地震で福岡県内に1メートル以上の津波が到達するのは最短で191分後と想定されています。
津波による犠牲者をゼロにするために、この時間をどう使うのかが問われています。