「無痛分娩」の医療提供体制構築に向け、高知県と高知大学が連携協定を締結。

行政と大学病院が一体となった、このプロジェクト。

まず2025年度には、7月に大学へ産科・麻酔科の専門医を招へいし、育成・研修体制を構築していくということです。そして2026年度には、心臓の疾患などがあり出産のリスクが高い「ハイリスク妊婦」への無痛分娩の提供を開始し、2027年度に希望する一般の妊婦への提供を開始するとしています。

◆高知大学医学部 麻酔科学・集中治療医学講座 河野崇 教授
「我々には『経験』がありませんので、まずは経験豊富な医師を招へいしたいと思っています。そして、このプロジェクトの中で我々が技術を習得して、産科医、麻酔科医、そして助産師との間で教育・人材育成を行い、徐々に高知県全体に広めていきたいと考えています」

高知大学医学部 麻酔科学・集中治療医学講座 河野崇 教授

河野教授は、「もちろん『安全』が1番だ」としたうえで、「ニーズは非常に強く感じていて、できるだけ早く体制を整え、プロジェクトも想定より前倒ししていけるようにしたい」と話します。

ただ、無痛分娩には「リスクもある」といいます。

河野教授と、高知大学医学部産婦人科学講座・永井立平准教授は、「無痛分娩には『合併症』などのリスクもある。いま、日本国内で無痛分娩の機運やニーズが急速に高まり、報道などを見た妊婦の方から問い合わせの連絡もきているが、妊婦の方には『リスク』をきちんと把握してもらい、我々はあくまでも『出産の選択肢の1つ』として医療を提供できれば」と話します。

◆高知大学医学部 麻酔科学・集中治療医学講座 河野崇 教授
「『無痛分娩』は、世界では“当たり前”の医療。それが高知県でできていないというのは非常に問題だと思っています。『無痛分娩』というものが、妊婦の方にとって『特別なもの』ではなく、『当たり前の選択肢』になるよう、これから体制を整備したいと考えています」