減反廃止も「昔と同じだな」 農協から届く“生産目安”を記した書類

実際はどうなのでしょうか。

今年、農協から菅原さんに届いた書類では、「主食用米における生産目安」と題して、それぞれの農家の「主食用米」と「転作」の生産の目安を記し、検討を呼びかけています。

減反時代の2014年の書類と比べると、生産の「目安」と「数量目標」という表現の違いはあるものの、同様の数字が並んでいます。

菅原徹さん(76)
「今も同じ通知がくるんですが、(減反廃止後は)ただ作るのは自由ですよ、売るのは自由ですって言うんです。実際は転作確認っていう形がありますし、結局、目安だけれども、誰も昔と同じだなと思っています」

菅原さんと農家仲間の鎌田さんも、生産目安を忠実に守っているといいます。

農家 鎌田栄一さん(79)
「国の政策になんぼか準じていなければ、ペナルティーが来るんじゃないかと思ったり。今になればこそ、そういうのはないような気はするんだけど、守らなければ守らないで世間体が悪いので、みんなのまねして」

他の農家たちも…

農家 合澤誠一さん(67)
「いくら作ってもいいですよと、数量や面積が割り当てになっても、さらに頑張って作ろうという意欲がもうなくなっている」