「小浜でOK」が 敦賀延伸のタイミングで“現実路線”を主張

ところが、この決定に異論を唱える動きがにわかに出てきます。2024年3月16日、敦賀延伸がスタートした日に加賀市の宮元陸市長が「米原ルート」に言及します。

加賀市・宮元陸市長「一日でも早く米原につなげてもらって、東京から日本海側太平洋をぐるっと周れるような新幹線の高速交通体系をつくることが日本の再生につながっていくと思っている」

再び米原ルートが浮上してきたのです。

国が示した当初の試算です。小浜ルートが建設費2兆1000億円で工期が15年。米原ルートが5900億円で工期が10年となっていました。

また、金沢から新大阪までの所要時間は、小浜ルートが1時間20分米原ルートは東海道新幹線に乗り換える想定で1時間41分。

小浜ルートが20分ほど所要時間が短くなるとのことで、建設費や工事期間はかかるものの運賃なども含めた判断として2016年に小浜ルートでの延伸が決まりました。

2024年8月の国土交通省の試算です。物価の上昇などもあり小浜ルートの建設費は最大で5兆3000億円、工期は最長28年と大きく上振れしました。

敦賀の開業と同時に着工予定だった延伸も工事が始まらず2016年の時点と大きく状況が変わる中、ルート問題が再燃しました。