人口減のなかで小高の「大切な場所」に
震災前の小高の人口はおよそ1万3000人。
2025年3月現在は、移り住んできた人も含め、居住人口は4500人ほど。高齢化率は50%になります。
「ひまわりカフェ」がある場所では、認知症予防やパソコンについて学ぶ教室を開いたり、チェルノブイリ事故のことで交流があるウクライナや、パレスチナへのチャリティー企画など、イベントも様々行っています。
運営メンバーに話を聞いていると、突然の避難であちこちを転々とした苦しい時期の話も出てきます。
「ひまわりカフェ」運営メンバーの声
「ここ、小高に根っこ生えていた時と比べると、突然出ろって言われたときっていったら、もうあっちこっちで不安定な思いをしました。だから、ここでつながりがあれば、どこに行ってもつながっていられます」「ただコーヒー出すだけじゃなくて、みんな小高だったらここでなくちゃ駄目なんだって思ってくれているから、大切な場所になってきたんじゃないかなって思います」

カフェのメニューは、コーヒーの他、ピザ、トーストぐらいですが、店にいると、その日の運営担当メンバーが自分で作ってきたものがいつの間にか出てきたりします。
必ずあるわけではないですが、崎山記者が取材した日は、サンドイッチや福島の名物「いかにんじん」の小皿が出てきました。

小高商工会の女性部長、小林友子さんは続けてきた理由について、話してくれました。
小高商工会の女性部長、小林友子さん
「離れていった人たちが、あ、まだここあるねって言って、来てくれる場所です。そういう場所でありたいと思ってるから、女性部のみんなに、どうする?って常に聞くんですけど、やろうね、っていうことで今も続いてます」
「サンドイッチ作ってきたり、おにぎり作ってきてくれたり、と色々出てくるけど、小高自体がそういうもてなしをずっとやってたんですね。誰かが来たら、お茶飲みな、これ食べな。そういう場所です。そういう場所はなくしたくないっていう思いがやっぱりみんなあるんですね」